今年もインフルエンザ大流行しましたね。

あなたの職場は大丈夫ですか?

今回は、インフルエンザに関わる労務問題を取り上げてみました!

 

「会社命令で休ませる」「マスクをさせる」ことはOK?

会社は、労働安全衛生法第5条により、社員に対して

安全配慮義務(社員が安全に業務に従事できるように配慮するべき義務)

を負っています。

つまり、インフルエンザに罹患している社員(他の社員の健康を脅かす可能性がある)

に対して就労を認めるか否かの裁量権を持っているのです。

インフルエンザの社員を医師等の指導に基づいて休ませること自体は

妥当ということになりますね。

もし、インフルエンザにかかった社員がいることを知っていながら、

その社員を休ませないのは、

他の社員への伝染を予防しなかった、

つまり、安全配慮義務に違反する恐れがあります。

それ以前にインフルエンザが社内で広まらない様に

マスクの着用を義務付けておくなどの

予防対策も安全配慮義務を履行するために必要ですね。

 

休ませた時の休業手当(労基法第26条)の支払いは?

・インフルに感染していることが確実で、医師等による指導により労働者が休業する場合

→休業手当を支払う必要はありません。

この場合には、感染予防法に基づく休業であるため、

一般的には「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当しないと考えられるからです。

 

・医師などの指導や協力要請の範囲を超えて(外出自粛期間経過後など)、

会社の判断で休業させる場合

※そもそも会社命令で休業させること自体が妥当か問われるケースがあります。

→休業手当を支払う必要があります。

例えば、熱が37度以上あることなど一定の症状があることのみをもって、

一律に労働者を休ませる措置をとる場合のように、

会社の自主的な判断(予防措置)で休業させる場合は、

一般的には「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当てはまると考えられるからです。

 

また、インフルエンザかどうか分からない時点で、

発熱などの症状があるため労働者が自主的に休む場合は、

通常の病欠と同様に取り扱い、年次有給休暇や病気休暇制度を使います。

社内に感染が広まってからでは、

会社として安全配慮義務を果たしていないことになり、

何より事業にも支障をきたします。

大切な社員を守るためにも積極的な予防対策が必要ですね。