「適当なストレスは、人生のスパイスである」という言葉があります。

毎日会社に行く追いかけられた生活が、スパイスとなるように、

適当なストレスは人を活性化させます。

とはいえ、それが過剰になれば心身に障害をもたらし、

職場にとって大切な人材を失うことになります。

 

●メンヘル不調者を「出さない」ことが先決

メンヘル不調者が出た場合、

充分な休職期間を与えることが困難な会社では、

一度発症してしまったら解雇、という事態も珍しくはないでしょう。

このような結果を避けるために、メンヘル不調者発生を防ぐことが大切になってきます。

本人によるセルフケア(ストレス解消)が充分であれば問題ないかもしれませんが、

異変が出たときに周囲の人が気づけることも大切です。

「あれ?何かおかしいな」

という感覚を大事に、病気レベルになる前に発見したいものです。

下記の例を参考に、今までのその人と比べて、

または周りの人たちと比べて、ズレが出てきていないかがポイントです。

(1)遅刻や欠勤が増えた、休みの連絡がない

(2)衣服が乱れる、不潔になる

(3)極端に潔癖になり、何回も手を洗うようになる

(4)無口になり表情が乏しい、付き合いを避けるようになる

(5)業務効率の低下、ミスが目立つ

(6)教えても理解力が悪くなる

(7)独り言や独り笑いをする

(8)ひどくおしゃべり、おせっかいになる、浪費癖が目立つ

(9)喧嘩やトラブルが増え、非協力的

(10)周りの人が迷惑がっている事が分からない

 

●メンヘル不調者が出たら・・職場改善の機会へ

メンヘル不調になる原因は、顧客とのトラブルやクレーム、

職場内での人間関係といった精神的なものだけでなく、

慢性的な残業や深夜労働といった肉体的な疲労など

様々な要素が合わさって発生する可能性があります。

すぐさま病院での診察を勧めるのではなく、

目に見える事象から最近様子がおかしいことを説明し、

面談を通して本人がどんな悩みやストレスを抱えているのかを

聞き出すようにしましょう。

メンヘル不調者は本人の精神的な強さに依存することもありますが、

職場環境によって生じるものも少なくありません。

こうした病状が見受けられると

「病院で見てもらったほうがよいのでは…」

「休職について考えなければいけない…」

など管理する側も不安になり、誤った対応をしてしまいがちです。

まずはこうした初期症状を逃さず、

これを機に職場内での隠れた問題を解決するチャンスだと思うくらいがちょうどよいでしょう。

メンヘル不調者の初期症状が発生した場合、

職場のどこかに問題が隠れている可能性もあり、

それを解決せずに個々の対応に追われては根本的な解決にはなりません。

 

「おや、これはメンヘル不調者かな?」と思われた際には

まずは相談ください。

個々の対応だけでなく、職場全体の問題の解決や環境の向上に結び付けていきましょう。